露出について
その2〜"絞り"と"シャッタースピード"

 その1で、"露出"とは、光の量を"絞り"と"シャッタースピード"で調整して仕上がりの写真の濃さを決める過程と表現しました。
 
 ここでは、"露出"の原理である、"絞り"と"シャッタースピード"についてお話しします。

 "絞り"とは、光が入り込む量を面積という点から調節する仕組みのことです。
 それは、ちょうど、水道の蛇口のようなものです。蛇口を全開にすると水が勢いよく出ますし、少ししか開かないならば、チョロチョロという水量になります。
 絞りもそのような役割を果たします。絞り込む(蛇口を閉める)と光は少ししか入りませんし、絞りを開放する(蛇口を開ける)ならば大量の光が入ってきます。
 つまり、蛇口をひねり、水をコップに注ごうとするとき、蛇口を全開にして注ぐのか、それとも、少ししか開けずにチョロチョロ注ぐのか、あるいは、中ぐらいに開けて注ぐのか、という蛇口の開け具合が"絞り"になります。

 次にシャッタースピードですが、これは、読んで字の如く、シャッターをどれくらいの時間開けておくかということです。光が入り込む量を時間という点から調整する仕組みです。
 コップに水を満杯に注ごうとするとき、まず、蛇口をひねり水を出しますが、蛇口のひねり具合(絞り)によって、蛇口を開けておく時間が異なります。
 全開に蛇口を開けたならば、直ぐにコップは満杯になりますから、蛇口を開けている時間は短くなり、逆に蛇口を少ししか開けていないならば、長い時間蛇口を開けておくことになります。この、どれくらいの時間、蛇口を開けておくか、というのがシャッタースピードです。

 そして、コップに満杯の水が注がれた状態が、撮影者が意図したとおりの量の光がフィルムに焼きつかれた状態(=適正露出)となります。
 この、コップを満杯(=適正露出)にするために、どのように"絞り"と"シャッタースピード"を調整するのか、というのが露出です。
 例えば、適正露出が10という数字で表されるとします。
 10にするための掛け算は、1×10、2×5、5×2、10×1というパターンがあります。絞りとシャッタースピードも同じで、絞りの開け具合によって、シャッタースピードが決まる。また、シャッタースピードによって、絞りも決まることになるわけです。

 では、同じ適正露出になるなら、面倒だから1×10だけでいいじゃないか!?という話しもありますが、いろいろな組み合わせをする理由はどこにあるのでしょうか!?

 次に、絞りとシャッタースピードの効果についてお話しします。




TOP BACK NEXT